お茶入り学校給食

茶葉は、日常生活に欠かせない飲み物の原料であり、台湾では、紅茶、緑茶、烏龍茶(包種茶、鐵觀音など)などが広く親しまれています。飲料としてだけでなく、お茶や茶葉を料理に活用する文化もあり、例えば、茶葉入り鶏スープ、お茶風味の豆干(押し豆腐)、そして日本人にも人気の「茶葉蛋(茶葉煮卵)」などがあります。

学校給食においでも、茶葉を使った料理が提供されることがあります。お茶の香りが料理に奥行きを加えるだけでなく、地域の茶文化を体験する機会にもなり、子どもたちは普段とは違う形で「お茶」とふれあうることができます。

台北で有名なお茶:文山包種茶、木柵鉄観音、南港包種茶


南港包種茶

  • 軽発酵烏龍茶
  • 繊細で上品な香り
  • 甘みと爽やかさのバランス
  • 南港地区の品質茶

木柵鐵觀音

  • 重焙煎烏龍茶
  • 深い焙煎による芳醇な香り
  • コクのある濃厚な味
  • 木柵地区の伝統製法

お茶入り学校給食レシピ

お茶風味の山芋と鶏のスープ

お茶の香りがする、やまいもとチキンのおいしいスープ。

【作者】

楊蕊萍栄養士(2018第1回台湾学校給食大会優勝。現在は、新北市秀峰小学校に勤務)

【献立について】

「お茶風味の山芋と鶏のスープ」は、香り・見た目・味の三拍子がそろった薬膳スープです。タンパク質を多く含む鶏もも肉に、腎の働きを助け胃腸の調子を整える山芋、多糖体と食物繊維が豊富なしめじを加え、さらに滋養強壮に効果のある紅なつめと、肝機能をサポートし目にも良いとされるクコの実を組み合わせています。

スープのベースには、軽発酵タイプの「文山包種茶」を使用。カテキンやポリフェノールを豊富に含み、脂っこさを和らげる効果があります。お茶は、はちみつのような黄緑色で、爽やかな香り、口当たりはまろやか。お茶の風味と具材の旨味が調和し、さっぱりとした味わいに仕上がっています。

【材料】(3-4人分)

  • 鶏もも肉(ぶつ切り)⋯100g
  • クコの実⋯4g
  • 紅なつめ⋯8g
  • 青ねぎ⋯4g
  • 生姜⋯4g
  • 山芋⋯200g
  • しめじ⋯12g
  • 文山包種茶(ティーバッグ)⋯3g
  • 水⋯1000g

【調味料】(3-4人分)

  • 米酒⋯4g
  • 塩⋯4g

【作り方】

  1. 鶏もも肉はよく洗い、下ゆでしておきます。
  2. クコの実と紅なつめは軽く洗い、水に浸けておきます。
  3. 青ねぎは洗って小口切りにし、生姜も洗ってスライスしておきます。
  4. 山芋は皮をむいて乱切りにし、水に浸けておきます。
  5. しめじは石づきを取り、よく洗っておきます。
  6. 鍋に水を入れ、包種茶のティーバッグを加えて煮出し、お茶を作ります。お茶の香りが出たらティーバッグを取り出します。
  7. お茶に鶏肉、生姜、紅なつめを加えて煮込みます。続いて、山芋としめじを加えてさらに煮ます。
  8. 最後にクコの実、米酒、塩を加えて味を調えて、仕上げに青ねぎを散らして完成です。


お茶飯

【作者】

洪國棟調理師、毛韻晴栄養士(2025第8回台湾学校給食大会 準優勝。現在は、新北市統鮮美食株式会社に勤務)

【献立について】

お茶の魅力を食材と料理に生かした一品です。多くの人はお茶を淹れたあとの茶葉をそのまま捨てたり、堆肥として再利用したりしますが、実は料理に活用できる貴重な素材です。使用済みの茶葉を七穀米に混ぜることで、香りや味わいに深みが加わり、栄養価も高まります。地元産の食材を用い、炭素排出の少ない調理法を取り入れることで、茶文化の創造性と持続可能性をを体現した料理となっています。

【材料】(3-4人分)

  • ウーロン茶(茶葉) 4g
  • 水 270g
  • 七穀米 90g
  • トレーサビリティ米 180g

【調味料】(3-4人分)

  • 塩 1g
  • サラダ油 20g

【作り方】

  1. 茶葉は熱湯でさっと湯通しして不純物を除き、280gの熱湯に約8分浸してお茶を抽出します。
  2. 茶葉を濾して、270gのお茶と、水気を切った茶葉に分けておきます。
  3. トレーサビリティ米180gと七穀米90gを混ぜ、2回水で洗った後、しっかりと水を切ります。(七穀米:玄米、オート麦、蕎麦、アワ、黒米、レンズ豆、丸麦)
  4. そこに270gのお茶を注ぎ、塩2gを加えて軽く混ぜます。炊飯器などでふっくらと炊き上げます。
  5. 取っておいた茶葉は軽く水気を拭き取り、170℃の油でカラッと揚げます。揚げた茶葉は手で砕き、半量をごはんに混ぜ込み、残りの半量はごはんの上に飾って完成です。