鹿港とひたちなかがオンラインで結ばれる!茨城の学校給食が鹿東小学校に

文|陳儒瑋(大享食育協会研究員)
写真|施沛君(彰化県鹿東小学校栄養士)

2022年12月16日、茨城県美乃浜学園の保立貴博栄養教諭がオンラインで彰化県鹿東小学校に登場し、5年生の生徒にその日の給食の献立を紹介しました。

写真:保立貴博栄養教諭による茨城県のサツマイモの紹介

種類も味わいも豊かな食材を一度に

これは大享食育協会が開催した「日台学校給食献立交換プロジェクト」の第2弾です。鹿東小学校の施沛君栄養士と10名の廚房スタッフが1750食分を準備しました。

施栄養士はこう語ります。

私の学校栄養士のキャリアの中で今日は一番多くの食材を使った日です。台湾の学校給食では普通10から15種類の食材を使用しますが、今回は20種類以上もの食材を使ったんです。

台湾の状況に合わせて食材や調理の方法を変える必要があったかを尋ねてみました。施栄養士によると、手に入らないアオサをワカメに代えただけで、ほかはすべて献立どおりに作られました。

写真:三信化工の食器に盛られた給食

給食ではしっかりとお箸を使ってごはんとおかずを食べること

今回大享食育協会は、台湾の子供たちがより良い体験になるように、給食用食器の大手メーカーである三信化工株式会社の食器30セットを借りました。トレイ、ご飯用茶碗、スープ用お椀、仕切りプレート、お箸が一つのセットになり、5年生のあるクラスに使ってもらうことにしました。

ご飯、おかわり!

味噌汁が超おいしい!

フライドチキン大好き!

毎日これを食べられないの?

生徒たちはそれぞれ、茶碗を持ち上げてご飯を食べたり、味噌汁をいただいたりしています。お箸で細かなおかずを一所懸命につまもうとしている子もいます。いつも1つの弁当箱とスプーンだけで食べている彼らにとって、今日はきっと忘れられない日になるでしょう。

写写真:三信化工の食器に盛られた給食

食材の特徴を引き出した料理とバランスが取れた献立

子供たちの食事の様子を見せていただいた後、今度は私たちの食事の時間になりました。施栄養士と一緒に食事をしながら今回プロジェクトに参加した感想を伺いました。

施栄養士は以前日本の給食の写真を見た時に、なんて量が少ないんだろう、これではお腹いっぱいにならないだろう」と思ったそうです。

ところが、実際にレシピどおりに作ってみると、日本のご飯とスープの量は台湾より多く、使う食材の種類も多いことがわかったんです。レシピを見ると栄養士さんが食材の本質をしっかり理解していることがよくわかります。うまく組み合わせることにより、必要以上に調味料をつかうことなく、それぞれの料理の味を引き出しているのです。

また、11月に群馬県川場村の学校給食のメニューを出した南投県南光小学校の王孟茜栄養士も今日、ここに見学に来られました。

王栄養士は「全体としても、気持ちよくいただくことができ、それぞれの副菜にも特徴があるだけでなく、しっかりとバランスが取れている」と語っています。

台湾の栄養士と厨房スタッフが一丸となって、保立栄養教諭が立てた学校給食の献立が海を越えて鹿東小学校の教室に現れました。

これは「素晴らしい食べ物は国や言葉の壁を超えることができるのだ」ということを証しするも。

写真:施沛君栄養士(前列一番右)と鹿東小学校の厨房スタッフ


【学校給食献立】

茨城県美乃浜学園栄養教諭.保立貴博)

  • 主食「秋の香ごはん」
  • 飲み物「ジョア」
  • 主菜「鶏肉のレモンソース」
  • 副菜「ガーリックドレッシングサラダ」「しらすあえ」
  • 汁物「まろやか豚汁」