文|陳儒瑋(大享食育協会研究員) 写真|楊琇棻(雲林県建国中学校栄養士)
雲林県北港鎮建国中学校にて群馬県沼田市学校給食の献立が再現されました。楊琇棻栄養士と6名の廚房スタッフと共に、できたばかりのセントラルキッチンで1200食分の給食づくりに励ました。
「今日のメニューは、とうふめし、こんにゃくサラダ、とり肉のねぎみそ焼き、だんご汁です。そしてリンゴと牛乳が付きます。とうふめしとだんご汁は沼田市の郷土料理です。」
献立を立てた遠藤まみ栄養教諭がオンラインで全校の生徒と先生方に、パネルを使って料理の説明をしてくださいました。また「こんにゃく」「味噌」「豆腐」の日本語も教えていただきました。
写真:遠藤まみ栄養教諭によるオンライン紹介
今回の海外給食献立交流プロジェクトに合わせ、学校は特別に「テーブルの上の世界史」と題するブックフェアも開催しました。このイベントでは雲林県の食材のアピールに加え、大航海時代に世界の国々がどのように食材を保存し、異国の香料を活用して多彩な食文化を創造したかが紹介されました。
写真:「テーブルの上の世界史」ブックフェア
いつもの100倍食べちゃった
楊栄養士と一緒に中学1年生の教室に入ると、大享食育協会が借りてきた日本の学校給食用の食器を片手を持ち、もう片手でお箸を使ってご飯やおかずをいただいている様子が目に入ります。普段はひとつの弁当箱とスプーンでいただいてるため、特別な儀式を楽しんでいるかのようです。
写真:三信化工の食器に盛られた給食
「いつもの100倍食べちゃった!」テレビの取材を受けた元気な男の子はこう答えました。記者がマイクを別の生徒に向けると、その子はすぐに立ってとうふめしをおかわりしに行きました。
楊栄養士は、レシピを見た時に一番困ったのがこのとうふめしだと明らかにしてくれました。「まず、自分自身はこのような料理をいただいたことがないので、全くイメージつきませんでした。そして、ひじきと粉豆腐は、全然手にはいなかったです。最終的に、ひじきの代わりにのりを使い、粉豆腐は別の栄養士の助けで、直前になってなんとか廚房に届きました。」
写真:とうふめし
また主食の肉の分量が日本と台湾では異なるという問題もありました。「鶏肉の量を40 gから50 gに調整しました。このほうが台湾の食生活に合っているからです。これでもまだ普通より少ないですが、少なくとも暴動は起きませんでした。」と笑いながら話してくれました。
写真:とり肉のねぎみそ焼き
家庭料理の裏にある食文化
「このような献立を台湾の学校でも定期的に出すことはできるんですか?」と好奇心から楊栄養士に尋ねてみました。
楊栄養士の答えは、台湾の学校給食に配置できる調理員数からすると「1種類の料理が精一杯だ」ということでした。何種類もの料理を作るには通常の何倍もの労力がかかるからです。食材の下処理、調理法、スタッフの数のどれをとっても台湾と日本では大きな違いがあります。
「実際に日本の学校給食のレシピどおりに作ってみると、その献立は我々台湾人が想像していたものとはかなり違っていました。普通の家庭料理なんだということがわかりました。」
写真:楊琇棻栄養士(二番右)と建国中学校の厨房スタッフ
【学校給食献立】
(群馬県沼田市学校給食センター栄養教諭.遠藤まみ)
主食:とうふめし(沼田市利根町大原地区の郷土料理です。) 主菜:とり肉のねぎみそ焼き(ねぎは群馬県の特産品の一つです。) 副菜:こんにゃくサラダ(群馬県はこんにゃくいもの生産量日本一です。こんにゃくの他に出荷量が全国上位のキャベツ、ほうれん草、きゅうりを使用しています。) 汁物:だんご汁(沼田市の郷土料理の一つです。) 果物:りんご 飲み物:牛乳
文|陳儒瑋(大享食育協会研究員)
写真|楊琇棻(雲林県建国中学校栄養士)
雲林県北港鎮建国中学校にて群馬県沼田市学校給食の献立が再現されました。楊琇棻栄養士と6名の廚房スタッフと共に、できたばかりのセントラルキッチンで1200食分の給食づくりに励ました。
「今日のメニューは、とうふめし、こんにゃくサラダ、とり肉のねぎみそ焼き、だんご汁です。そしてリンゴと牛乳が付きます。とうふめしとだんご汁は沼田市の郷土料理です。」
献立を立てた遠藤まみ栄養教諭がオンラインで全校の生徒と先生方に、パネルを使って料理の説明をしてくださいました。また「こんにゃく」「味噌」「豆腐」の日本語も教えていただきました。
写真:遠藤まみ栄養教諭によるオンライン紹介
今回の海外給食献立交流プロジェクトに合わせ、学校は特別に「テーブルの上の世界史」と題するブックフェアも開催しました。このイベントでは雲林県の食材のアピールに加え、大航海時代に世界の国々がどのように食材を保存し、異国の香料を活用して多彩な食文化を創造したかが紹介されました。
写真:「テーブルの上の世界史」ブックフェア
いつもの100倍食べちゃった
楊栄養士と一緒に中学1年生の教室に入ると、大享食育協会が借りてきた日本の学校給食用の食器を片手を持ち、もう片手でお箸を使ってご飯やおかずをいただいている様子が目に入ります。普段はひとつの弁当箱とスプーンでいただいてるため、特別な儀式を楽しんでいるかのようです。
写真:三信化工の食器に盛られた給食
「いつもの100倍食べちゃった!」テレビの取材を受けた元気な男の子はこう答えました。記者がマイクを別の生徒に向けると、その子はすぐに立ってとうふめしをおかわりしに行きました。
楊栄養士は、レシピを見た時に一番困ったのがこのとうふめしだと明らかにしてくれました。「まず、自分自身はこのような料理をいただいたことがないので、全くイメージつきませんでした。そして、ひじきと粉豆腐は、全然手にはいなかったです。最終的に、ひじきの代わりにのりを使い、粉豆腐は別の栄養士の助けで、直前になってなんとか廚房に届きました。」
写真:とうふめし
また主食の肉の分量が日本と台湾では異なるという問題もありました。「鶏肉の量を40 gから50 gに調整しました。このほうが台湾の食生活に合っているからです。これでもまだ普通より少ないですが、少なくとも暴動は起きませんでした。」と笑いながら話してくれました。
写真:とり肉のねぎみそ焼き
家庭料理の裏にある食文化
「このような献立を台湾の学校でも定期的に出すことはできるんですか?」と好奇心から楊栄養士に尋ねてみました。
楊栄養士の答えは、台湾の学校給食に配置できる調理員数からすると「1種類の料理が精一杯だ」ということでした。何種類もの料理を作るには通常の何倍もの労力がかかるからです。食材の下処理、調理法、スタッフの数のどれをとっても台湾と日本では大きな違いがあります。
「実際に日本の学校給食のレシピどおりに作ってみると、その献立は我々台湾人が想像していたものとはかなり違っていました。普通の家庭料理なんだということがわかりました。」
写真:楊琇棻栄養士(二番右)と建国中学校の厨房スタッフ
【学校給食献立】
(群馬県沼田市学校給食センター栄養教諭.遠藤まみ)