文|荻原 遥
圖|荻原 遥
私は現在、筑波大学大学院 国際連携食料健康科学専攻(GIP-TRIAD)に所属する修士課程2年生です。本専攻では、「国ごとに異なる学校給食のシステムと食品廃棄」をテーマに研究を進めております。このたび、台湾・台北市に拠点を置く大享食育協會にて、約2か月間のインターンシップを行わせていただく運びとなりました。
2024年に台湾大学で学んだ経験から、再び台湾を訪れたいという想いが強まりました。インターン先を探していたところ、同じプログラムに所属する台湾人の友人が大享食育協會を紹介してくれました。
給食や食育の推進を行うNPOがあるという事実に驚くと同時に、「給食における食品廃棄」を研究テーマとする私にとって、まさに理想的な環境であると感じました。
インターン受け入れに関する問い合わせを行ったところ、代表の黃嘉琳氏より心温まるご返信をいただきました。事前のオンラインミーティングでは、給食を通じた国際交流や、食農教育の普及を目指す多様でユニークな活動をご紹介いただき、大きな期待とともに実習を開始いたしました。
協會のオフィスは、台北市内でも有名な松山文創園区に位置しています。アーティストによる展示や、歴史的建築を改装したカフェが立ち並ぶスタイリッシュな街並みであり、初めて文創大樓を目にしたときは、その迫力に圧倒されました。
初日の出勤時には、インターン担当の朱曉萱氏をはじめ、職員の皆様が温かく迎えてくださいました。驚いたことに、多くの職員の方が日本語を少しずつ話されており、同協會が日台間の交流を積極的に行っていることが感じられました。私は中国語を話せないため、主に英語と一部日本語を交えてコミュニケーションを取っています。
また、協會の働き方は非常に柔軟であり、勤務時間・場所・服装などが各自の裁量に委ねられています。学生生活が長かった私にとっては新鮮な経験でしたが、学業との両立がしやすく、快適に実習を継続することができています。全職員の方々にお会いするまでには約1週間を要しましたが、早くお名前を覚え、正しく発音できるよう努めてまいります。
インターン開始直後は、協會が発行する年報や活動報告、食育に関する教材を通して、組織の概要と主な取り組みについて理解を深めました。
私の主な担当業務は「2025 第八屆臺灣學校午餐大賽(日本語訳:2025年第8回 台湾全国学校給食コンテスト)」の運営補助であり、まずは過去大会の資料を中心に精読を進めています。
コンテストは毎年テーマが設定され、栄養士とシェフによるチームが、テーマに沿った創造的なメニューを提案します。大会は二部構成で、第一部がメニューの実演、第二部が5分間の食育プレゼンテーションとなっています。たとえば第5回大会(2022年)のテーマは「餐盤上的旅行家(お皿の中で旅行)」であり、コロナ禍による移動制限のなか、「食を通じて旅を楽しむ」という思いが込められていました。入賞作品には、“台湾一周”をテーマに各地の名物を取り入れたメニューや、日本・イタリアの料理を融合させた“海外旅行”をイメージした作品など、創意工夫にあふれる提案が見受けられました。
資料の読解にあたっては、言語の壁が課題となりました。私自身は中国語を読むことができないため、複数の翻訳ツールを試しながら、最も適した方法を模索しました。時間はかかりますが、技術の進歩に感謝しつつ、丁寧に読み進めるように心がけています。
特に印象的だったのは、日本の給食や食育活動が、同協會の取り組みに大きな影響を与えている点です。たとえば、台湾全国学校給食コンテストは日本の「全国学校給食甲子園」をモデルとしており、オフィスには『学校給食』(学校給食協会)や『日本農業新聞』などの日本の資料も並んでいます。台湾にいながら、日本の給食文化について改めて学び直しております。
2025年4月18日〜20日に開催予定の「2025 第八屆臺灣學校午餐大賽」に向け、事前の準備会議が行われました。会議では、コンテスト当日までのスケジュールや準備体制について説明を受け、私は受付補助としての役割を担うこととなりました。また、事前に参加チームを訪問するため、インタビュー時に使用する質問内容の検討も担当しております。大会に懸ける想いや、台湾の給食制度に関する考え、課題などを伺う予定です。
翌日には、開会式が行われる台北市私立滬江高級中学を視察いたしました。この視察には、協會職員をはじめ、装飾担当者や会場ディレクター、学校関係者の皆様も参加され、前年の課題点を踏まえた打ち合わせが行われておりました。私は朱曉萱氏のサポートのもと、英語通訳を交えながら視察に参加させていただきました。大会当日に向けて、会場がどのように変化していくのか、今からとても楽しみにしております。
文|荻原 遥
圖|荻原 遥
インターンシップ開始にあたって
私は現在、筑波大学大学院 国際連携食料健康科学専攻(GIP-TRIAD)に所属する修士課程2年生です。本専攻では、「国ごとに異なる学校給食のシステムと食品廃棄」をテーマに研究を進めております。このたび、台湾・台北市に拠点を置く大享食育協會にて、約2か月間のインターンシップを行わせていただく運びとなりました。
インターン先として大享を選んだ理由
2024年に台湾大学で学んだ経験から、再び台湾を訪れたいという想いが強まりました。インターン先を探していたところ、同じプログラムに所属する台湾人の友人が大享食育協會を紹介してくれました。
給食や食育の推進を行うNPOがあるという事実に驚くと同時に、「給食における食品廃棄」を研究テーマとする私にとって、まさに理想的な環境であると感じました。
インターン受け入れに関する問い合わせを行ったところ、代表の黃嘉琳氏より心温まるご返信をいただきました。事前のオンラインミーティングでは、給食を通じた国際交流や、食農教育の普及を目指す多様でユニークな活動をご紹介いただき、大きな期待とともに実習を開始いたしました。
オフィス環境と柔軟な働き方
協會のオフィスは、台北市内でも有名な松山文創園区に位置しています。アーティストによる展示や、歴史的建築を改装したカフェが立ち並ぶスタイリッシュな街並みであり、初めて文創大樓を目にしたときは、その迫力に圧倒されました。
初日の出勤時には、インターン担当の朱曉萱氏をはじめ、職員の皆様が温かく迎えてくださいました。驚いたことに、多くの職員の方が日本語を少しずつ話されており、同協會が日台間の交流を積極的に行っていることが感じられました。私は中国語を話せないため、主に英語と一部日本語を交えてコミュニケーションを取っています。
また、協會の働き方は非常に柔軟であり、勤務時間・場所・服装などが各自の裁量に委ねられています。学生生活が長かった私にとっては新鮮な経験でしたが、学業との両立がしやすく、快適に実習を継続することができています。全職員の方々にお会いするまでには約1週間を要しましたが、早くお名前を覚え、正しく発音できるよう努めてまいります。
翻訳ツールを活用した資料読解
インターン開始直後は、協會が発行する年報や活動報告、食育に関する教材を通して、組織の概要と主な取り組みについて理解を深めました。
私の主な担当業務は「2025 第八屆臺灣學校午餐大賽(日本語訳:2025年第8回 台湾全国学校給食コンテスト)」の運営補助であり、まずは過去大会の資料を中心に精読を進めています。
コンテストは毎年テーマが設定され、栄養士とシェフによるチームが、テーマに沿った創造的なメニューを提案します。大会は二部構成で、第一部がメニューの実演、第二部が5分間の食育プレゼンテーションとなっています。たとえば第5回大会(2022年)のテーマは「餐盤上的旅行家(お皿の中で旅行)」であり、コロナ禍による移動制限のなか、「食を通じて旅を楽しむ」という思いが込められていました。入賞作品には、“台湾一周”をテーマに各地の名物を取り入れたメニューや、日本・イタリアの料理を融合させた“海外旅行”をイメージした作品など、創意工夫にあふれる提案が見受けられました。
資料の読解にあたっては、言語の壁が課題となりました。私自身は中国語を読むことができないため、複数の翻訳ツールを試しながら、最も適した方法を模索しました。時間はかかりますが、技術の進歩に感謝しつつ、丁寧に読み進めるように心がけています。
特に印象的だったのは、日本の給食や食育活動が、同協會の取り組みに大きな影響を与えている点です。たとえば、台湾全国学校給食コンテストは日本の「全国学校給食甲子園」をモデルとしており、オフィスには『学校給食』(学校給食協会)や『日本農業新聞』などの日本の資料も並んでいます。台湾にいながら、日本の給食文化について改めて学び直しております。
コンテス準備会議と会場視察
2025年4月18日〜20日に開催予定の「2025 第八屆臺灣學校午餐大賽」に向け、事前の準備会議が行われました。会議では、コンテスト当日までのスケジュールや準備体制について説明を受け、私は受付補助としての役割を担うこととなりました。また、事前に参加チームを訪問するため、インタビュー時に使用する質問内容の検討も担当しております。大会に懸ける想いや、台湾の給食制度に関する考え、課題などを伺う予定です。
翌日には、開会式が行われる台北市私立滬江高級中学を視察いたしました。この視察には、協會職員をはじめ、装飾担当者や会場ディレクター、学校関係者の皆様も参加され、前年の課題点を踏まえた打ち合わせが行われておりました。私は朱曉萱氏のサポートのもと、英語通訳を交えながら視察に参加させていただきました。大会当日に向けて、会場がどのように変化していくのか、今からとても楽しみにしております。